遠すぎる君
松井は振り返って睨みを効かせた。
「……なに?」
「聞きたいことあるんだけど…」
睨みながらどうするか考えたようで
「いいよ…
あ、ごめーん咲希ちゃん!今日は先帰って~」
咲希ちゃんと呼ばれたクラスメートが
怪訝な顔をして
「うん。わかった…」
と他の友達と帰って行った。
俺は教室に誰もいなくなるのを待ってから切り出した。
「…しおりのことなんだけど…」
美幸は「ふんっ」と鼻で笑い
「何よ、今更…」とどかっと俺が立ってる前の席に座った。
「なにが知りたいのよ」
「アイツ、なんで来ないんだよ…」
「そんなことアンタの知ったこっちゃないわよ!」
こいつがこんなに怒ってるってことは
しおりも俺のことを怒ってるんだよな
そりゃそうだ
部活のために自分から連絡を絶っといて
その後なんの連絡もしなかった。
「や…ごめん…」
鞄を持って帰ろうとすると
「逃げんの?サッカー部エース様も大したことないね。」
後ろからの声に思わず振り向いた。
「あんた、しおりを引っ掻き回して楽しいの?」
「え…?」
思ってもみなかった言葉が俺を刺す。
引っ掻き回されてるのは俺の心の方なのに…
動揺で頭がグラグラする。
「なんで学校に来ないか知りたいの?」
「そ、そうだけど…」
そうだ。それを知りたいだけなんだ。
でもさっきの松井の言葉が頭から離れず、
うまく言葉が出てこない。
松井は小さく「しおり、ごめん」と言ってから
俺に向けてこう言った。
「…しおりはね…外部受験するのよ。
もうすぐ青蘭から居なくなるのよ!」
「……なに?」
「聞きたいことあるんだけど…」
睨みながらどうするか考えたようで
「いいよ…
あ、ごめーん咲希ちゃん!今日は先帰って~」
咲希ちゃんと呼ばれたクラスメートが
怪訝な顔をして
「うん。わかった…」
と他の友達と帰って行った。
俺は教室に誰もいなくなるのを待ってから切り出した。
「…しおりのことなんだけど…」
美幸は「ふんっ」と鼻で笑い
「何よ、今更…」とどかっと俺が立ってる前の席に座った。
「なにが知りたいのよ」
「アイツ、なんで来ないんだよ…」
「そんなことアンタの知ったこっちゃないわよ!」
こいつがこんなに怒ってるってことは
しおりも俺のことを怒ってるんだよな
そりゃそうだ
部活のために自分から連絡を絶っといて
その後なんの連絡もしなかった。
「や…ごめん…」
鞄を持って帰ろうとすると
「逃げんの?サッカー部エース様も大したことないね。」
後ろからの声に思わず振り向いた。
「あんた、しおりを引っ掻き回して楽しいの?」
「え…?」
思ってもみなかった言葉が俺を刺す。
引っ掻き回されてるのは俺の心の方なのに…
動揺で頭がグラグラする。
「なんで学校に来ないか知りたいの?」
「そ、そうだけど…」
そうだ。それを知りたいだけなんだ。
でもさっきの松井の言葉が頭から離れず、
うまく言葉が出てこない。
松井は小さく「しおり、ごめん」と言ってから
俺に向けてこう言った。
「…しおりはね…外部受験するのよ。
もうすぐ青蘭から居なくなるのよ!」