遠すぎる君
「…せ…んぱ……」

「だめ。…我慢できない……」

唇を塞がれたまま丸くて広いベッドへ押し倒される。

「や、……やっぱり…シャワー……」

「しおりちゃん…しおり……好きだよ……」

先輩の手で服を脱がされる。

唇は合わさったまま。
服を脱がすその手つきが何だか慣れているようで、怖くなった。

「せ、せんぱ…い…」

先輩は私の服を脱がすとそのまま愛撫を始め、
私の上に股がってきた。

私は頭が混乱したまま先輩の成すがままになっていた。

「ごめん…痛いかもしれない……
でも、許して……」

両足の間に入った先輩のからだが動く。

「……あっ!」

下腹部に重い圧迫感があり、そして鈍痛が。

「ごめっ!ごめんっつっ!」

「…あぁっ!……痛っ!やぁっ!」

「ごめん…しおり……ごめんっ!」

謝りながら先輩は動き続ける。
私は痛みを先輩の苦しそうな表情を見ながら耐えた。

知識はあった。
でもこんなに痛いなんて……
いや、苦しい……そんなことを頭の片隅で重いながら
果てる先輩を感じた。


先輩の動きが止まり、はぁはぁと胸で息をする先輩。

「ごめん……優しくできなかった。いっぱいいっぱいで……大事にしたかったのに……」

消え入りそうな声で私に赦しを乞う先輩が可哀想で

「大丈夫です…」

「好きだよ……しおり…」

私をぎゅっと抱き締めてくれた。

そして私の初めては先輩に捧げられた。
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