裏ギフト
「そう……なのかな?」


あたしはジッとウサギのストラップを見つめる。


心臓はドクドクと高鳴り、嬉しさが胸に膨らんでゆく。


しかし……。


後方から聞こえて来た声に、そんな思いはいとも簡単にかき消されてしまったんだ。


「これ、あげるよ」


永遠のそんな声が聞こえて来て、あたしは振り向いた。


そこには結香がいて、手には白い袋を持っていた。


「なに?」


そう聞きながら袋の中に手を入れ、モコモコのクマの形をしたストラップを取り出した。


「わぁ、可愛い!」


「最近元気がないから、ちょっとでも喜んでほしくて」


永遠がそう言い、照れたように頭をかく。
< 100 / 382 >

この作品をシェア

pagetop