裏ギフト
☆☆☆

それは放課後、結香が1人になった時を見計らって決行されることになった。


結香よりも先に教室を出たあたしたちは、結香が必ず通る道で待ち伏せをしていた。


「ほんっと、結香って最低」


つぐみが低い声で言う。


「今まで友達だと思ってたのがバカみたい」


初がイライラと貧乏ゆすりを繰り返す。


あたしはそんな2人に笑みがこぼれそうになる。


結香はあたしたちの悪口をネットにさらして笑い物にしている。


という大ウソを昼間したばかりなのだ。


最初は疑ってかかっていた2人だけれど、そのサイトを見せるとすぐに信じ込んだ。


サイトはパスワード制限をつけていて誰も見る事はできず、すべての書きこみはあたしが1人でしたものだ。


サイトの管理人は、もちろんあたし。


だけど、莫大な量に及ぶ悪口を見せられて、2人ともそんな単純な事にも気がつかない。


あまりにもトロい2人が哀れで仕方なかった。
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