裏ギフト
「じゃぁ決まりだね」


ひなたがあたしの腕に自分の腕をからませて歩き出す。


「ちょっとひなた、腕を組むのは空君とでしょ?」


「空とはいつでも手を繋げるからいいの!」


「ノロケちゃって」


頬をピンク色に染めるひなたにあたしは笑う。


「俺、イチゴのクレープ食べたいな」


「え、空君って甘いもの好きなんだ?」


「実は大好物なんだよね」


少し照れたように微笑む空君。


その表情はカッコイイのに可愛くて、思わずドキッとしてしまう。


だめだめ。


ひなたはあたしの親友だ。


親友の彼氏を好きになるなんて、あり得ない。


「じゃぁ今日は楽しみだね」


あたしはそう言い、いつも通りの笑顔を浮かべたのだった。
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