裏ギフト
エスカレート
その日から初とつぐみの、結香への態度は一変した。


結香がそばを通れば大きな声で「ウザイ」とか「キモイ」という言葉を連呼し、2人1組のペアになる時はすぐに結香から離れた。


そんな時、結香はいつも捨てられた犬のような目であたしを見て来た。


「結香、ペアになる?」


そう声をかけると、今度は忠実な飼い犬のように目を輝かせてあたしへと駆け寄って来る。


そんな結香を見ていると、本当に自分のペットになったように思えて笑いが止まらないときもあった。


でも、あたしは結香とペアを組みたいわけじゃなかった。


結香を除け者にしていると周囲にバレないように、3人で取り決めていたやり方だった。


だけど、結香は相変わらず1人で昼食を食べていた。


これは少し前から結香が自ら進んでやり始めた事なので、クラスメイトたちも特に気にしていない様子だった。
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