裏ギフト
あたしたちが一方的に結香をイジメているだけだから。


「そうか。それないいんだ。もう戻っていいぞ」


担任教師はそう言い、ついに我慢できなくなって大きなあくびをした。


あたしたちは優等生のように頭を下げて職員室を出る。


そして目を見かわせ、プッとふきだした。


「職員室に呼び出された時はドキッとしたよね」


初が言う。


「そうそう。絶対に怒られると思った」


つぐみが答える。


「だけど、たったあれだけって」


「やっぱり、侑里が我慢して結香とペアを組んでくれてるお陰だね」


初がそう言い、あたしを見た。


あたしはその言葉に微笑む。


カムフラージュはできているだろう。


敏感な人から見ても、あたしがイジメに加担しているようには見えないかもしれない。
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