裏ギフト
スカッとする。


その言葉に一瞬胸の奥がうずく。


たしかにそうだ。


結香の下駄箱に虫を詰め込んだ時の事を思い出す。


あの爽快感を味わうためには、また結香を自らの手でイジメることだ。


「……やめとくよ。なにかあった時のためにも、あたしはこのままでいい」


あたしはそう言い、初とつぐみを見た。


「そう? 侑里は優しいんだから」


つぐみの言葉にあたしは微笑む。


先生になにもばれていない事がわかり、2人の行動はあたしがほっておいてもどんどんエスカレートしていくだろう。


それでいい。


あたしは他にやることがあるんだから。


「行こう」


あたしは2人を促し、教室へと戻ったのだった。
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