裏ギフト
「2人って付き合ってたの?」


「え、そうなんだ!?」


「マジかよ、いいなぁ植木!」


「侑里ちゃん優しいもんね」


「2人がカップルなら納得できるよな」


そんなざわめきが心地よく聞こえてくる。


永遠は顔を更に赤らめて、だけど否定もしなかった。


あたしはクッキーを2つとってティッシュに乗せると、それを結香の机に置いた。


ずっと文庫本を読んでいた結香が驚いたように顔をあげる。


「これ、食べてね。ごめんね、あれだけみんなが集まってたら、入りづらいよね」


そう言うと、結香はみるみる内に笑顔になっていく。


本当は輪の中に入りたかったハズだ。


だけど初とつぐみの2人がいるから、自分からは入ってこれなかったんだ。
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