裏ギフト
結香にとってはあたしではなく、あの2人が恐怖の存在なんだから。


「ありがとう侑里」


「ううん。ごめんね、あんまり力になれなくて」


小声でそっと話しかける。


「え?」


「初とつぐみの事で、悩んでるんでしょう? あたしもあの2人の事が怖くてなかなか結香を誘う事ができないの」


眉を下げて申し訳なさそうな声を出す。


我ながら上出来の演技だと思う。


「ありがとう侑里。あたしは大丈夫だから、心配しないで?」


結香はあたしの手を握り、そう言った。


「わかった。何かあったらすぐに言ってね」


あたしはそう言い、結香の机から離れたのだった。
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