裏ギフト
あたしはそれを取り出して触れてみた。


手触りも、他の2つとよく似ている。


フワフワとした毛は滑らかで心地よい。


思わず頬ずりしてみたくなる。


そのわりにしっかりとした生地のようで、クッションを潰してみてもすぐに形が元に戻った。


「なんなんだろう……」


そう呟いてクッションを見つめる。


送り主が何を思って送ってきているのか想像ができない。


だたの好意なのか、それともストーカーか、イヤガラセか。


どれに当てはまる贈り物なのか、さっぱり見当もつかない。


「本当にわけわかんない」


そう言ってクッションを出窓へ移動しようと立ち上がった時、あたしはクッションの不自然な縫い目に気がついた。
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