裏ギフト
☆☆☆

それから家の事をしているとあっという間に時間は過ぎて行き、チャイムが鳴らされた。


「侑里~! お土産持ってきたよぉ!」


初のそんな声が玄関の外から聞こえて来て、あたしは鍵を開けた。


「いらっしゃい」


玄関を開けると、そこにはスーパーの大きな袋を3つも持った初と、笑顔のつぐみが立っていた。


「侑里、おはよ」


「おはようつぐみ。初はその荷物一体どうしたの?」


「だって今日はずっと侑里の家にいるんでしょ? だったら沢山おやつ買って行かなきゃって思って」


そう言い、侑里は両手の袋を差し出してきた。


中身を確認してみると、全部おやつだ。


あたしは呆れてため息を吐きだした。


初の頭の中は食べる事が最優先とされているみたいだ。
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