裏ギフト
だって、結香が最低な女じゃないと、永遠をとられてしまうから。


「いいなぁ」


あたしはボソッと呟いた。


「え?」


結香があたしを見る。


「ほら、あたしお父さんいないから……。誕生日でも、お母さんは働きに出ているし、1人で過ごす事が多くて……」


そう言い、ほんの少し目に涙を浮かべてみる。


隣で結香が慌ててハンカチを取り出すのが見えた。


「ご、ごめんね侑理」


「ううん……結香は悪くないでしょ?」


いいや、悪いのは全部結香だ。


あたしがこんな嘘泣きをしなきゃいけないのは、結香のせいだ。


そう思った時、あたしの頭に大きな手のひらが乗せられた。


驚いて嘘泣きの涙が一瞬にしてひっこんだ。


「侑理の誕生日には俺が一緒に祝ってやるよ」


永遠が、あたしの頭をポンポンと撫でながらそう言ったのだ。
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