裏ギフト
永遠の手は少し汗ばんでいて、気持ちが興奮していることがわかった。


「これ、本当に結香が書いたんだよな……?」


永遠の問いかけに、あたしは一瞬ムッとする。


永遠は今まで結香の事を名字で呼んでいた。


いつの間に名前で呼ぶようになったんだろう。


「ハンドルネームから考えると、結香しかいない」


あたしはそう言いきった。


「そうだよな……」


永遠はそう呟き、携帯電話をあたしに返した。


肩を落とし、そうとうなショックを受けている様子だ。


結香に悪口を言われたのがそんなショックなの?


あたしは永遠が結香ごときに夢中になっている方がショックだよ。


歯ぎしりをしたい気持ちになるよ。


「ねぇ、永遠。少し結香から離れた方がいいんじゃないかな? 最近の書きこみはずっと永遠の悪口ばかりだよ」


「……あぁ、そうだな……」


永遠はそう言い、力なく頷いたのだった。
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