裏ギフト
そして、放課後。


つぐみと初は行動を起こした。


いつも真っ先に教室を出て行く結香の前に立ちはだかり、行く手を遮ったのだ。


あたしはゆっくりと帰る準備をしながら、その光景を横目で見ていた。


「ちょっと結香に話があるんだけど」


初が迫力満点の低い声でそう言う。


「話……?」


結香は教室内へと後ずさりをして2人から距離を置く。


川に突き落とされた時の恐怖が蘇っているのかもしれない。


結香は助けを求めるように教室内を見回す。


しかし、最近付き合いの悪かった結香に声をかける生徒はいない。


みんな横目で3人のやり取りを見ながらも、ゾロゾロと教室を出て行く。


「侑里ちゃん、一緒に帰る?」


そう声をかけられて、あたしは視線を移動させた。


一緒にオヤツを食べてから頻繁に会話するようになった子たちだ。
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