裏ギフト
雑巾で結香の机を拭いていた時、結香が教室に戻って来た。


「大丈夫?」


「うん。掃除してくれてありがとう」


まだ青い顔をしているが、さっきみたいにフラフラしていない。


結香は自分の吐しゃ物を掃除して、ようやくホッとしたように肩の力をぬいた。


「じゃ、帰ろっか」


明るくそう声をかけると、結香は疲れた笑顔で「うん」と、頷いたのだった。
< 156 / 382 >

この作品をシェア

pagetop