裏ギフト
☆☆☆

それから1日。


2人は結香に粘着質な嫌がらせを繰り返していた。


体育館シューズを隠したり、わざと机にぶつかって弁当箱をひっくり返すなど、幼稚なイジメは初が。


結香の机に自分の財布を忍ばせ、「あたしの財布がない!」とクラス中に響き渡る声で言ったのはつぐみ。


帰る頃には結香は泥棒としてのレッテルを張られていた。


その姿は見るも無残で、笑顔や覇気を失くし、グッタリとうなだれていた。


1日で何歳も一気に老けたように見える。


結香にとって辛かったのは、「あたしは盗んでない!」という必死の訴えを、クラス内の誰1人として信用してもらえなかった事だろう。


結香は可愛くていい子でここまで来たから、自分の言った事はみんなが信用してくれていたのだろう。


それが完全に崩れてしまっているという事実が、結香を追い詰めていた。
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