裏ギフト
☆☆☆

あの程度じゃダメだ。


結香は自分がイジメ似合っている事さえネタにして永遠を誘惑している。


家に戻ったあたしは夕飯の準備も忘れて部屋の中をグルグルと歩きまわっていた。


どうすれば結香は永遠と離れるんだろう。


初のようないじめ方でもいい、つぐみのようなイジメ方でもいい。


無理なく、永遠本人が完全に結香から離れて行くような方法は……。


そう考えた時、ふとあたしの脳裏に送られてきたものたちがよぎった。


送り主がわからないままだから、クローゼットに押し込んでいるそれを思いだす。


初から、送り主は暖からかもしれないよ。


と、言われた事を思い出す。


「暖……」


自分の口からその名前が出てくる時がくるとは思わなかった。


でも……あいつなら、使えるんじゃない?


そう思い、ニヤリと笑ったのだった。
< 164 / 382 >

この作品をシェア

pagetop