裏ギフト
あたしを飽きさせないように気を付けているつもりだろうけれど、世間話をするために誘ったワケじゃない。

「ねぇ、1つお願いがあるんだけど」


お弁当を食べ終えたあたしは、さっそく本題に入った。


「な、なに?」


緊張しすぎて暖の声は裏返っている。


「写真、撮らせてくれない?」


「しゃ……写真?」


あたしの言葉に目をパチクリさせる暖。


あたしはニッコリと微笑んで「そう」と、答える。


「い……いいけど、なんで?」


「少し必要になったの。暖と……結香の写真がね」


あたしがそう言うと、暖はますます首を傾げたのだった。
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