裏ギフト
「結香の最近の行動範囲は狭いでしょ? 休憩中はトイレくらいにしか行かないし、昼休みもずっと1人で教室にいるし。監視するのは簡単だと思うよ?」


「そっか。こっちは3人いるしね」


初がそう言う。


「そう。3人ともずっと結香を見張ると怪しまれるけど、交代なら気づかれないかも」


「いいね、それ。でも、結香の男遊びが本当だったらどうするの?」


つぐみにそう聞かれ、あたしは携帯電話を取り出した。


「撮影する」


「え?」


つぐみは少し表情をゆがめた。


隠し撮りすると言う事に抵抗があるようだ。


「結香に騙されてる男子たちが可愛そうでしょう? 結香の悪事の証拠を撮って、みんなの目緒を覚まさせてあげなきゃ」


「そうだね。あたしもそう思う」


と、初は頷く。


しかしつぐみは悩んでいるように口を閉じてしまった。


今まで散々結香イジメに関わってきたのに、盗撮となると尻ごみをしているみたいだ。
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