裏ギフト
☆☆☆

教室内には満足そうな表情をしているつぐみと初。


そして不安そうな顔をしている暖があたしを待っていた。


ここへ来るまでにも写真の話が聞こえてきて、すでに随分と広まっていることがわかった。


「おはよう侑里ちゃん! ねぇ、下駄箱の写真見た!?」


クラスメイトの1人が駆け寄ってくる。


その目は好奇心に輝いていて、結香の悪口を言いたくて仕方ないといった様子だ。


「うん。見たよ」


「結香ちゃんってひどいよね! 植木君と仲良くしてるくせに、成本君とも関係があったなんてさ!」


「さすがに、あたしもちょっとビックリしちゃった」


あたしはそう言い、眉を下げた。


「そうだよね、だって侑里ちゃんって植木君の事……」


「ん……」


あたしは小さく頷いた。
< 184 / 382 >

この作品をシェア

pagetop