裏ギフト
☆☆☆

結香と暖の写真の噂は、あっという間に学校中に広まって行った。


先生たちが一生懸命写真を回収していたが、あの写真は全校生徒の下駄箱すべてに張られていたため、回収作業は難航している様子だった。


朝登校してきた結香は下駄箱まで来たものの、写真を見てそのまま帰ってしまったようだった。


結香の泣き顔が見れなかったのは残念だけど、結香のいない教室はあたしにとって目障りな虫がいなくなった状態と同じだった。


このまま不登校になればいいのに。


そんな気持ちになってくる。


そして、お昼休み。


あたしとつぐみと初は屋上でお弁当を広げていた。


「うまく行ったね」


つぐみが笑いながらそう言う。


つぐみが笑っていると、初もつられて笑い始めた。


2人とも笑いたいのをずっと我慢していたみたいだ。
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