裏ギフト
「これでみんなも目が覚めるでしょ」


あたしはそう言い、お弁当を一口食べた。


今日のお弁当はいつもの数倍おいしく感じる。


勝利の味。


というやつかもしれない。


休憩時間中結香に《大丈夫? あんな写真気にする事ないよ!》と、励ましのメールを送っておいたけれど、いまだに返事はない。


メールを返す元気もないのかもしれない。


「2人のおかげだよ」


あたしはそう言い、ポケットから映画のチケットを取り出した。


「なに、これ?」


つぐみと初がチケットに首を傾げる。


「夢の国ランドのチケット。2人で行っておいでよ」


「え、うそ!?」


「くれるの!?」


2人とも目を丸くして驚いている。


「うん。どうぞ」


そう言い、あたしはつぐみにチケットを握らせた。


「でも侑里、植木君と2人で行きたいんじゃないの?」


「あたしの事は気にしないで? 永遠は今弱っているし、ゆっくり時間をかけて好きって伝えたいから」


「そっか……」
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