裏ギフト
☆☆☆

1日中結香の行動に気を取られていたあたしは、ろくに永遠と話す事ができないまま放課後になっていた。


「侑理、今日は部活?」


ホームルームが終わってすぐ、結香が声をかけてきた。


「うん。結香も部活でしょ?」


「うん、そうなの。じゃぁ、今日の帰りは別々だね」


「そうだね。じゃ、頑張ってね」


あたしは結香にそう言い、カバンを掴んで教室を出た。


あたしは美術部。


結香は吹奏楽部に入っている。


一旦振り返ると、結香が渡り廊下を渡って音楽室のあるB棟へと移動していくのが見える。


あたしは美術室のある4階へと上がるため、階段に足をかけた。


そしてそこから渡り廊下の様子をうかがった。


数人の生徒たちに混ざって結香が真っ直ぐに歩いて行く。


そして、その姿はすぐにB棟へと吸い込まれていった。
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