裏ギフト
それを確認したあたしは体の向きをかえ、階段を下り始めた。


トントンと軽快な足音を立てて1階まで下りたあたしは、そのまま靴に履き替えて外へ出た。


グラウンドでは体育会系の部活動がウォーミングアップを初めていて、大きな声が飛び交っている。


そんな中、あたしは真っ直ぐに校舎裏へと進んだ。


日当たりが悪く、年中ジメジメとして湿っぽい校舎裏に、自然と顔をしかめるあたし。


校舎とフェンスのスペースには、植木や花が植えられていて地面は土がむき出しの状態だ。


あたしはキョロキョロと周囲を見回した。


花が植えてある花壇に近づき、ブロックを1つどかしてみた。


すると下からは大きめのミミズが数匹出て来た。


いるいる。


ミミズは眩しさから逃れるように土の中へもぐろうとする。


あたしはそんなミミズの体を引っ張り、土から引きずりだした。
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