裏ギフト
「そっか。今日はゆっくり休んでね」


初は少しさみしそうにしながらも、つぐみと2人で教室を出て行く。


あたしはそんな2人を見送ってから教室を出た。


立ち上がるとまるで体が宙に浮いているような感じで、足元が危うい。


誰かとぶつかれば倒れてしまいそうな感じだ。


それでも何とか地面を踏みしめ、階段へと向かう。


そして階段へ一歩足を踏み出した瞬間……誰かがあたしの背中を押した。


グラリと揺れる体。


体重がフワリと空中へ投げ出される。


咄嗟にあたしは振り向いていた。


階段の一番上から逃げるように去っていく、黒ずくめの人間。


そして思い出していた。


あの手紙に書かれた最後の文章。


《できなかったら……あなたは階段から突き落とされます》


思い出すと同時にあたしの頭は強く地面に叩きつけられ、そしてあたしは意識を失ったのだった。
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