裏ギフト
でももし、その時に永遠が一緒にいたとしたら?


結香がイジメられている事を知り、イジメの犯人を捜すかもしれない。


そうなれば、立場の悪くなった初とつぐみは簡単にあたしを裏切るかもしれない。


あたしにすべての責任を押し付けているかもしれない。


あたしはベッドの上で寝返りを打ち、イライラと手の甲をかきむしる。


学校内であたしは今悪者なのかもしれない。


でも、それよりなにより……。


あたしを階段から突き落としたヤツがどこかにいる。


その事の方がずっと気がかりだった。


クラスの奴らなんて全員バカだ。


あたしの立場が悪くなっていたとしても、また言いくるめればいい。


だけど、あたしを階段から突き落とした人間はそんなにバカじゃない。


今まで1度も顔を見ていないし、犯人に見当もつかない。


あたしはギリッと歯ぎしりをして、窓から見える真っ青な空を睨み付けたのだった。
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