裏ギフト
大丈夫。


ギフトは次の日曜日にも必ず送られてくるだろう。


そうすれば、手掛かりはまた1つ増えることになる。


犯人は少しずつ自分の正体を現しているようなものだ。


そう思い、自分を落ち着かせた時だった。


突然後ろから椅子に衝撃があり、あたしは振り向いた。


そこにはニヤニヤ笑っている初がいて、「ごめぇん、ぶつかっちゃったぁ」と、舌を出した。


そんな顔をしても全然可愛くないんだけど。


「別にいいよ。椅子にぶつかられてもあたしは痛くないし、初の方が痛かったんじゃない?」


淡々とそう言うと初は一瞬たじろき、そして悔しそうに顔を歪めた。


お前のやることなんてその程度だって、結香の時から知ってるよ。


あたしはそう思い、初から視線を外した。


その先に永遠が立っているのが見えた。


永遠はあたしと目が合った瞬間、視線を逸らした。


その様子に胸の奥がズキンッと痛む。
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