裏ギフト
なのに……。


トラックのスピードが急に上がったのだ。


あたしは驚いて立ち止まる。


トラックの大きなフロントガラスの向こうに、力を失いハンドルに身を預けるようにした運転手が見えた。


トラックは徐々にスピードを上げ、蛇行しながらこちらへ向かって走ってくる。


一緒に帰っていた友達が悲鳴を上げ、逃げていく。


あたしはその場から動けず、唖然としてトラックを見つめていた。


「ニャァ!!」


猫がないて、あたしの前を走った。


それを見てハッと我に返るあたし。


あたしは小道へと走り身を縮めた。


次の瞬間……。


何かがぶつかり合う大きな音が響き渡り、大きく跳ね上がった猫があたしの目の前にふってきた。


小さな体は地面へ叩きつけられる瞬間、ドシャッと音を立てた。
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