裏ギフト
「でも、君の話を聞いて放課後の出来事も納得できたよ。君はクラス内に送り主がいると思ったから大きな声でアピールしたんだろ」


「そうだよ。でも、クラス内にはいないみたいだった」


「そうか……。でも、学校内に犯人がいる可能性は高いな」


「そうでしょ?」


「あぁ」


翔真はそう言い、頷いた。


「君みたいな性格だと他のクラスからも嫌われていそうだから、犯人探しは難航しそうだけどね」


そう言い、フンッと鼻で笑う翔真。


自分だって教師やみんなを騙しているくせに、よく言うよ。


こうやってあたしに声をかけてきたのだって、自分の興味が惹かれるものがあったからだ。


あたしを助けたいだなんて、きっと思っていない。


「じゃ、あたしの家はこっちだから」


分かれ道に来て、あたしは立ち止まる。


そのまま家へ向かって歩き出そうとした時、翔真に手首を掴まれた。


「なに?」


「まだ話は終わってない」


「はぁ?」


「行こう」


「行くって、どこによ!?」


そう聞いても翔真は行先を言わず、あたしは渋々翔真についていくしかなかったのだった。
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