裏ギフト
「あたしの事、落としいれようとしてたなんて」


そう言い、結香は笑顔を向ける。


こんな状況でもまだあたしの事を信用しようとしているみたいだ。


結香は本当にいい子だ。


真っ直ぐで真っ白で、とても扱いやすい子だ。


永遠の気持ちを奪いさえしなければ、もっと仲良くできていたかもしれない。


すっごく、残念だよ。


「下駄箱に虫を入れたの、あたしだよ」


あたしは結香を見下してそう言った。


結香の笑顔は一瞬にして消えていき、代わりにその顔は青ざめた。


コロコロと変わる面白い顔。


「筆箱をゴミ箱に捨てたのもあたし。暖と抱き合っている写真を撮ろうって提案したのもあたし」


「嘘でしょ……」


結香は唇をキュッと結び、涙を浮かべている。


どうして悲しいの?


あたしには泣く意味が全く分からなかった。
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