裏ギフト
「嘘じゃないよ。全部本当の事」


感情を入れずそう言うと、結香の目から涙がこぼれた。


「どうして?」


「理由? それはね……」


あたしはグッと結香に顔を近づける。


そして、言った。


「あんたの事、大嫌いだから」


それだけ言い、結香たちに背を向ける。


その瞬間、永遠がそこに立っているのが目に入った。


永遠はまるで自分が傷ついたような顔をして、あたしを見ている。


どうしてそんな顔してるの?


元はと言えば、永遠のためにやったんだよ。

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