裏ギフト
と、その時だった。


永遠が持っていたペットボトルの栄養ドリンクが目に入った。


「永遠、持っていかなかったんだ……」


そう呟き、永遠の首筋に伝う滴を思い出す。


ゴクリと、思わず生唾を飲み込むあたし。


永遠が口を付けたペットボトルが目の前にある。


あたしはそれをジッと見つめた。


今食堂にはあたししかいない。


誰も見ていない。


あたしはペットボトルに手を伸ばした。


ヒヤリと冷たくて、机に滴が落ちた。


キャップを回して蓋を開ける。


顔を近づけると、栄養ドリンクの甘い香りがした。
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