裏ギフト

孤立

傘もなく、ずぶ濡れの状態で家まで戻ってくると玄関の前に見慣れた男子生徒が立っていた。


「翔真……」


「なんでずぶ濡れなんだよ」


透明傘を差した翔真が呆れた顔であたしを見る。


「傘がなくて」


「天気予報では午後から雨だって言ってたのに、持ってこなかったのか？」


「急いで帰れば間に合うと思ったから」


あたしはそう言いながら、庭へと入って行く。


翔真も自然とそれについてきた。


あたしも、翔真を止める気はない。


「だったらどうして急いで帰ってこなかったんだよ。随分と待ったぞ？」


翔真がそう言う。


と、いう事は翔真はあたしの姿が見えなくなってからすぐに家に来て待っていたのかもしれない。