裏ギフト
そのまま真っ直ぐ帰ろうとしたとき、また翔真があたしの前に現れた。


「君、足が速いね」


下駄箱で靴を履きかえていると後ろからそう声をかけられて、あたしは首だけそちらへ向けた。


翔真がニコニコとほほ笑んで立っている。


あたしは走ってここまで来たから息が切れているけれど、翔真のほうがちっとも息切れをしていなくて、余裕そうだ。


そんな翔真をムッとして見るあたし。


「なにか用事?」


「今日は土曜日で午前中授業だから、帰れるのが早いんだよな」


「……そんなことわかってる」


「裏ギフトについて調べてみる?」


「悪いけどそんな気分じゃないんだよね」


そう言うと、翔真は少し驚いたようにあたしを見た。


「どうして? この前調べたときは興味ありそうだったじゃないか」


「いつも通りなら、その裏ギフトが明日の朝届くの。まだ夜も明けきらない早朝にね。だから早く帰って明日に備えないと……」
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