裏ギフト
☆☆☆

数十分後、永遠が着替えを終えて小走りにやってきた。


待っている間に食堂には部活動の途中の生徒たちが増えて、買い食いをしていた。


「ごめん、待ったろ」


「全然待ってないよ」


あたしは頭に入ってこない小説を閉じて、そう微笑んだ。


「腹減ってない? 何か食べてから帰ろうぜ」


永遠がそう言い、テーブルの上の栄養ドリンクを手に取ると一口飲んだ。


ゴクリと、喉を通る音が聞こえて来てあたしは思わずニヤリと笑う。


「ほら侑理、奢ってやるから」


永遠はそう言いあたしを急かす。


「え、奢りなんて悪いよ」


「いいのいいの。今日は俺から誘ったんだし、な?」


「……ありがとう」


嬉しすぎて何も喉を通らないことくらい、自分で理解していた。
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