裏ギフト
「動物の剥製……」


「ということは、やっぱりあれは本物だな」


翔真の言葉にあたしは思わず自分の手のひらを服で拭っていた。


そうとは思わずベタベタと触ってしまって、気持ち悪さを覚える。


「で、でも。本当にこのサイトを利用しているかどうかもわからないしね」


そう言うと、翔真は少し驚いたような顔をしてあたしを見た。


「もしかして、君は怯えているのか?」


「は……?」


怯えている?


あたしが?


「そ、そんなワケないでしょ!?」


思わず声が大きくなる。


「それならいいんだ。人に恨まれて当然の君が、人から恨まれる事に怯えているなんて滑稽で仕方がないからね」


翔真はそう言い、冷たい笑顔を浮かべる。


翔真の言う通りだ。


言い返したいけれど、何も言い返すことはできなかった。
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