裏ギフト
犯人がこのサイトを使っていたとしても、このサイトを通して相手を知ることはまずできないだろう。


いまだに犯人の手掛かりは全くのゼロだと言える。


そんな相手から恨まれ続けるなんて、気分のいいものではなかった。


ひと通りサイトを見た後、翔真はインターネットを閉じた。


「今日はこの辺にしておこうか」


「うん……」


あたしも、仕方なく立ち上がり、店を出る。


《裏ギフト》はこのままずっと送られ続けるんだろうか?


怪しいと言えば全員が怪しい。


それに、全員があたしに恨みを持っていても不思議ではない。


でも……《裏ギフト》が届き始めたのは、もっとずっと前だった。


そう、ちょうど結香イジメを始めたのと同じような時期で……。


まさか、結香が……?


「そんなことないよね」


あたしは自分の考えをすぐにかき消した。


もちろん結香が犯人でもおかしくはない。
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