裏ギフト
翔真はニッコリと笑顔を浮かべて「はじめまして。森永さんのクラスメートの奥田翔真です」と、優等生の自己紹介をした。


「はじめまして! 侑里の親友のひなたです! こっちはあたしの彼氏の空」


「へぇ、親友なんだ」


翔真はそう言い、あたしを見る。


なんだか嫌な予感がする。


ここはすぐに引き離した方がいいかも。


そう思ったけれど、すでに遅かった。


翔真は一歩前へ出ると「実は今度の日曜日に森永さんの家に泊まる予定なんだけど、一緒にどう?」と、ひなたに聞いていたのだ。


「ちょっと、何勝手な事言ってるのよ!」


慌てるあたしを尻目に、ひなたは「そうなんだ? お泊まり会でもするの?」と、楽しそうに目を輝かせてしまった。


よりによってひなたを味方につけられてしまうとは思わなかった。


ひなたは他のクラスメートたちとは違う。


簡単に切れるような薄い関係じゃない。


あたしは盛り上がる2人の会話の中に入れず、ため息をはき出した。


「ごめんね、迷惑かな?」
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