裏ギフト
そう言うと、ひなたはキョトンとした表情になった。


あたしが何を言っているのかわからないのだ。


「それなら今から説明すればいいじゃないか」


「それは……」


あたしは口ごもり、うつむく。


ひなたにギフトの事を言ってもいいのかどうか、悩む。


しばらく沈黙していると、ひなたがあたしの手を握ってきた。


「なにか、言いにくい事があるの?」


その表情は優しく包み込むような笑顔だ。


甘えていいよ。


そう言われているような気がする。


ひなたはいつだってあたしの心を見透かすんだ。


辛い事や苦しい事を必死で我慢していても、簡単にバレてしまう。


だから、ひなたと他の友達を同じ扱いにできないでいる。


「実はねひなた、少し前からあたし宛に妙な荷物が届くようになってるの」


「荷物?」


ひなたは首を傾げて聞き返す。
< 317 / 382 >

この作品をシェア

pagetop