裏ギフト
「これが……本物なんだよね?」


「わからないけど、たぶんそうなんだと思う」


シッポだけでは本物かどうかの判断はつかない。


このくらいのものなら簡単に作れそうな気もする。


ひなたは少し青い顔をして、そのシッポを見つめる。


「ひなた、大丈夫?」


「うん。ただ、こんなものを送るほど侑里は誰かに恨まれているかもしれないって事だよね? それが急に怖くなって……」


そう言い、ひなたは自分の体を抱きしめた。


「いつ誰に、どんなタイミングで恨まれいるかわからないって、怖いね」


ひなたはそう呟き、あたしの正体を知っている翔真はフンッと小さく鼻を鳴らしたのだった。
< 323 / 382 >

この作品をシェア

pagetop