裏ギフト
☆☆☆

それから数時間後。


窓際にいた翔真が「あ!」と、声を上げた。


その声に敏感に反応し、時計を確認するあたし。


午前3時過ぎ。


ギフトが届く時間だ。


あたしとひなたは窓辺にかけより、外を確認した。


「同じヤツだな……」


家の庭の前には黒ずくめの人物が立っていて、その手には白い箱が握られている。


間違いない、ギフトが届いたんだ。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、その様子を見つめる。


「男……?」


ひなたがそう聞く。


「身長的に言えば、たぶんそうだね。でも、わからない」


口元に髭生えていないし、背の高い女は沢山いる。


性別の判断が付かないその人物はいつものようにポストに箱をねじ込むと、今日はこちらを確認することなく背を向けた。


その後ろ姿にあたしは肩を落とす。
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