裏ギフト
今日は見てくれなかった……。


胸の奥を突き上げる、ゾクゾクするようなあの口元。


思い出すだけで体中が熱におかされるようだった。


「なにぼーっとしているんだ。早くギフトを確認しよう」


翔真にそう言われ、あたしは立ちあがった。


「侑里、あたしも一緒に行こうか」


ひなたが慌てて立ち上がる。


「大丈夫だよひなた。相手はいなくなったみたいだし、今直接手を出して来ることはないと思うから」


「でも……!」


「ひなたはここで待ってて」


あたしはそう言い、1人で部屋の出たのだった。
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