裏ギフト
「それがギフトなんだね……」


テーブルに置かれた白い箱を目の当たりにして、ひなたが呟く。


「そうだよ」


あたしは頷いた。


しっぽくらいなら平気だったけれど、今回はひなたには見せない方がいいかもしれない。


そう思い、ひなたに見えないようにして箱を開ける。


そこにはいつも通り透明ビニールと、猫の足が4本入れられていた。


しっぽよりもずっとリアルで、小さな爪には血が付いている。


猫がもがき苦しみながら手足を切断される様子が、安易に想像できた。


「これはひなたは見ない方がいい」


そう言い、あたしは箱を閉じた。


「僕は見たい」


翔真がすぐにそう言い、あたしから箱を奪い取った。


その目は爛々と輝いている。


「あたしも……見たい」


ひなたがそう言い、あたしを見る。


「やめた方がいいよ」


そう答え、首を左右にふる。
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