裏ギフト
☆☆☆

学校を出て帰路を歩いていると、徐々に気持ちは落ち着いてくる。


それと同時に、結香へ対する怒りが大きくなっていくのを感じる。


人を騙しやがって、あのぶりっ子が。


初とつぐみを味方につけたことであたしに勝ったとでも思ってるの?


こんなことなら、もっと徹底的に、学校をやめるまでイジメておくんだった。


そう思い、奥歯をかみしめる。


明日からは初もつぐみも結香も容赦なくあたしを潰しにかかるだろう。


そうなると、ギフトの送り主を探しにくくなる。


イライラした気分になり、「チッ」と舌打ちをする。


その時、ポケットに入れていたスマホが震えた。


「誰だよ……」


ボソボソと呟き、画面を確認する。


ひなたからのメールが届いていて、《今日の放課後会えないかな? 空がまたクレープ食べに行きたいって言ってるんだけど、一緒にどう?》と、絵文字つきで書かれていた。


いつもと変わらないその文面に、なぜだかあたしの心は更に苛立った。


ギフトの事を話しても、所詮ひなたにとっては他人事だ。
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