裏ギフト
元気づけるメールを送りながらも、その向こうではニヤニヤと笑っているのかもしれない。


初やつぐみや結香が豹変したように、ひなただって豹変するかもしれない。


そんな疑心暗鬼に包まれる。


《行かない》


たったそれだけ打ってメールを送る。


すると、すぐに返信が来た。


《どうしたの? 何かあった?》


さっきのメールがあたしらしくなかったからだろうか、ひなたの心配している様子が目に浮かぶ。


《なんでもない。今日は体調が悪くて早退したの。だから放課後には会えない》


さっきよりも丁寧にメールを作り、送信する。


メールをしながら歩いていると、もう家が目の前だった。


《そっか……それなら仕方ないね。お大事に!》


ひなたはきっとあたしの嘘に気が付いている。


気が付きながら気が付かないフリをしてくれている。


このままじゃひなたに八つ当たりをしてしまいそうで、あたしはスマホをポケットに戻したのだった。
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