裏ギフト
言い訳
あたしを気にしてか、ひなたから頻繁に来ていたメールが途絶えがちになっていた。


今回はひなたとのメールが原因で初たちに調子を乗らせてしまったから、あたしも自分からメールを送ることはなかった。


そんな状態で迎えた土曜日。


いつものように下駄箱付近で翔真が声をかけて来た。


「今日も泊まりに行っていいだろ?」


それはもはや許可を取ると言うよりも、『当たり前』のような聞き方だった。


「今日はひなたを誘ってないから無理」


そう言いながら下駄箱の蓋を開ける。


それと同時に、切り刻まれたローファーが目に入った。


「あ~あ、今回は靴か。きついな」


翔真が覗き込んでそう言う。


今日までにも教科書やノートは切り刻まれ、ゴミ箱に捨てられていることがあった。


腹は立ったけれど、教科書やノートはなくてもそれほど不便じゃない。


でも、靴を切り刻まれると帰れなくなってしまう。


あたしローファーを手に取り、ため息を吐き出した。
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