裏ギフト
「あたしは、ちょっと行ってくるね」


そう言うと、翔真の静止を振りほどきあたしは玄関へと走った。


鍵を開けるのももどかしく、転げるようにして外へ出た。


その瞬間、ギフトを持ってポストの前で立っているあの人物がいた。


あぁ、やっぱり男の人なのかな?


窓から見るよりずっと背が高くて、ガッシリとした体格だ。


相手はあたしが玄関から出てきたことに驚き、後ずさりをする。


「あたしはあなたに危害を加えるつもりはありません。そのギフトも、誰かに頼まれて送ってきているだけなんでしょう?」


そう言いながらゆっくりと近づいていく。


心臓はドクドクと高鳴り、男の口元が見えると熱が体中を駆け巡った。


これ、この感覚!


まるで炎で焼かれているように情熱があたしを責めたてている。


あたしは両手を前へだし「ギフト……受け取ります」と、言った。


男はおずおずと手に持っていたギフトを差し出して来る。
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