裏ギフト
あぁ。


やっと、ここまで近づけた。


相手からギフトを受け取った瞬間、フワリと甘い香りが漂ってきた。


それはあたしもどこかで嗅いだことにある匂いで、一瞬動きを止める。


しかし男はあたしにギフトを渡すと逃げるように走って行ってしまった。


今のあの香りは……?


思い出せなくて、あたしは逃げていく男の後ろ姿を熱っぽく見つめたのだった。
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