裏ギフト
☆☆☆

ギフトを手に部屋に戻ると、翔真にこっぴどく怒られてしまった。


それでもあたしは気にせずギフトを取り出してテーブルに置いた。


予想通り、箱の中には猫の顔が入れられていた。


だけどそれは恐れていたようなものではなく、剥製になった無表情の猫の顔で、ホッと胸をなで下ろした。


「今回も手紙がついてたよ」


あたしはそう言い、箱に入っていた封筒を手に取る。


開けてみると、その中には前回同様にボンドと、新聞の文字を切り抜いて作られた手紙が入っていた。


手紙の内容もほぼ前回と一緒だ。


このボンドで組み立てる事。


できなければ、こんどは歩道橋から突き落とされると書いてある。


「さっそく指示通りに組み立ててみよう」


翔真はウキウキした口調でそう言ってくる。
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